対話をしやすくする「二等辺三角形理論」 No.049

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対話をスムーズにする二等辺三角形理論とは?

二人で話をするとき、たいして緊張もせず、親しくスムーズに話ができ、情報交換もすんなり進む。いつでも、誰が相手でも、どんな状況でも、そうできたらすごいと思いませんか?

結果はすごいのに、やることは極めて簡単な技、すなわち極意があります。話をしている時、相手と、自分と、両者の身体の向きの交差点が作る三角形を二等辺三角形にする、そのように位置取りをする技です。

これを極意塾では「二等辺三角形理論」と称しています。図にすれば簡単です。

相手と向き合う角度を使い分ける

二等辺三角形の頂点の角度は、会話の状況によって変化させます。大事な話や、時間が短いときは角度は広く、会話を樂しみたいときの話や、時間が長いときは角度を狭くします。

図解しながら話すような場合は、三角形の頂点が90度、すなわち、相手が斜め45度の位置になるようにポジションを取るとスムーズになります。

リラックスするには同じ方向を向く

リラックスして軽いおしゃべりをしているような時は、三角形の頂点が限りなく0度に近い、すなわち、同じ方向を見ている、車の運転席と助手席に座っている、または隣り合って歩いているような角度にすると、いたって話しやすくなります。

挨拶や重要な話をしている時や講演を聴くときなどでは、三角形の頂点が180度に近い、すなわち、話し手に正対する、「つま先理論」がよいのですが、正対は緊張しやすくなります。

正対は、基本的に戦いの位置取りであるからです。ボクシング、剣道、相撲、‥‥格闘技はみな正対のポーズですね。真剣勝負では、その姿勢を崩した方がその瞬間負けます。

向き合い方を変えるだけで、うち解けやすくなる

逆に、「私たちは戦う者同士ではない、私たちは味方同士なのだ」という位置取りをすれば緊張感は和らぎます。それは同じ方向を向くポジショニングです。

これは、カウンセリング、商談、説得、説明といった大事な場面で、大いに活用していただきたい技です。相手との自分との、身体の向き合い方を変えるだけで、話しやすく、うち解けやすくなるのです。

これで、一生涯、どれだけ得するか、あるいは、無駄に損しないか、その違いは莫大なものになります。

No.049

文:極意塾塾頭 野中由彦