そっと物真似理論には、さらに上がある
そっと物真似理論には、さらに上があります。相手が好きなこと、相手がやっていることを、こちらもそっと氣付かれないように真似てやり続けてみるのです。
相手がイタリアンが好きなら、こちらもそっと氣付かれないようにイタリアンを食べてみる。
相手がプロ野球の日本ハムが好きなら、こちらもそっと氣付かれないように日本ハムの試合を観に行き選手のことやチームの成績などを調べる。
相手が推理小説をよく読んでいるなら、こちらもそっと氣付かれないように推理小説をよく読む。
相手がブルー系の衣服が好きなら、こちらもそっと氣付かれないようにブルー系の衣服を着る。
相手が80年代ポップスが好きなら、こちらもそっと氣付かれないように80年代ポップスを聴いてみる。
相手がローリング・ストーンズが好きなら、こちらもそっと氣付かれないようにローリング・ストーンズを聴いてみる。
相手がモーツァルトが好きなら、こちらもそっと氣付かれないようにモーツァルトを聴いてみる。
相手が卓球が好きなら、こちらもそっと氣付かれないように卓球をやってみたり卓球の試合を観に行ったりする。
相手が瞑想しているなら、こちらもそっと氣付かれないように瞑想してみる。
相手が般若心経の写経をしているなら、こちらもそっと氣付かれないように般若心経の写経をしてみる。
相手が好きなこと、相手がやっていることを真似続ける
‥‥このような感じで、延々と、そっと氣付かれないように、相手が好きなこと、相手がやっていることを真似てやり続けてみるのです。
こういうことをやった後で話をしたなら、話に花が咲き、親しい間柄になるのは当然の成り行きです。反対に、親しくならないようにしたいなら、これの反対のことをやり続ければ即大成功間違いなしです(笑)。
親しくなりたくないなら、反対のことをやり続ける
相手がイタリアンが好きなら、そんなものはろくでもない食べ物だと言い張ってイタリアンは食べない。
相手がプロ野球の日本ハムが好きなら、プロ野球にも日本ハムにもいっさい関心を示さない。
相手が推理小説をよく読んでいるなら、推理小説は読まない。読んでいたとしてもそれを言わない。
相手がブルー系の衣服が好きなら、けっしてブルー系の衣服は着ない。
相手が80年代ポップスが好きなら、そんなもの聴いたこともないと言う。
相手がローリング・ストーンズが好きなら、それが何がいいのか全然わからないと言う。
相手がモーツァルトが好きなら、モーツァルトの何がいいのか全然わからないと言う。
相手が卓球が好きなら、そんなものは嫌いだと言いけっして卓球はやらない。
相手が瞑想しているなら、けっして瞑想はやらない。
相手が般若心経の写経をしているなら、般若心経も写経も嫌いだと言ってけっしてやらない。
‥‥このような感じで、延々と、相手が直ちに氣付くように、相手が好きなこと、相手がやっていることをけなしまくり、無視しまくり、けっして同じことをしないようにし続けるのです。
どういう結果になるかは、想像するだけでもわかるでしょう。ただし、こういう實験はしない方がいいでしょう(笑)。
自分の趣味や行動を変えず、親しみを持ってもらうには?
なにもそこまで相手に合わせることはないではないかと考え、今までと同じ行動をとり続けるのが多くの人々のほとんどいつもの場合のパターンですね。
それであっても、敵対する必要はありません。自分の趣味嗜好や行動は変えず、それでなおかつ相手から親しみを持ってもらえるようにする技があります。
それは、ひとつ上のランクのところで共通していることを確認し合うことです。
ひとつ上のランクで共通していることを確認し合う
相手がイタリアンが好で、こちらはフレンチが好きなら、お互いヨーロッパ系の料理が好きですねえと言っておく。
相手がプロ野球の日本ハムが好きで、こちらはヤクルトが好きなら、お互いプロ野球が好きですねえと言っておく。
相手が推理小説をよく読んでいて、こちらは実用書をよく読んでいるなら、お互い読書が好きですねえと言っておく。
相手がブルー系の衣服が好きで、こちらは紺系の衣服が好きなら、お互い衣服のカラーにこだわりを持ってますねえと言っておく。
相手が80年代ポップスが好きで、こちらは日本民謡が好きなら、お互い得意のジャンルがありますねえと言っておく。
相手がローリング・ストーンズが好きで、こちらはサイモンとガーファンクルが好きなら、お互い英語系ポップスが好きですねえと言っておく。
相手がモーツァルトが好きで、こちらはバッハが好きなら、お互いクラシックの大家が好きですねえと言っておく。
相手が卓球が好きで、こちらはゴルフが好きなら、お互いスポーツの趣味があっていいですねえと言っておく。
相手が瞑想が好きで、こちらはウォーキングが好きなら、お互い毎日続けていることがあっていいですねえと言っておく。
相手が般若心経の写経をしていて、こちらは絵を描いているなら、お互い心が鎮まる趣味があっていいですねえと言っておく。
このように対応されて氣分を害する人はいないでしょう。お互いの個性を尊重し合って、いい雰囲氣になるはずです。
No.054
文:極意塾塾頭 野中由彦