心の持ちようで激変
極意中の極意はこれです、というお話です。
わたくしは障害のある方々の職業のためのカウンセラーをしておりました。
非常に多くの見知らぬ人に会う仕事でした。
どんな人と会うかわからない緊張感は常にありました。
ある日、どういう経過だったのか忘れてしまったのですが、ある心の持ちように氣がつき、その瞬間から仕事も普段の人付き合いもとても楽になりました。
「この人は生まれ変わった自分なのだ」
それは、会う人を「生まれ変わった自分」とみなすというものでした。
目の前にいらっしゃる障害のある方は、ひょっとしてほんの少しの偶然で、私だったかも知れない、そして私はこの人だったかも知れない、この人は生まれ変わった自分なのだ!
と、そのようにイメージしてみたその途端に、目の前のその方に心の底からの親しみが湧き上がってきたのでした。
相手は生まれ変わった自分なのだから、何も緊張することはない、スッと肩の力が抜けてリラックスできました。
それと同時に目の前の方に最大限の関心を寄せ続けるようになっている自分がいました。
質もレベルも格段の差
もちろんそれまでも、プロとして向き合っておりましたから、当然関心は持ち続けておりました。
しかし、その人が生まれ変わった自分だとなると、その人のことを思うことそれ自体が既に喜びを伴なっていますので、関心の質やレベルがまったく違いました。
この瞬間から、カウンセリングという対人業務、接客の質がたちどころに向上したと思います。
人と会うのが楽しくなった
それからは、毎回新しいクライアントに会うのが楽しみになりました。
生まれ変わった自分と会うのですから、楽しくないわけがありません。
ワクワクしながら開始時間を待つようになっていました。
「あぁ自分もこれでようやくプロとして一流になれたかも」という感触がありました。
No.155
(極意塾塾頭 野中由彦)