若い女性が一氣に一流に
対人業務などで、相手を「生まれ変わった自分」とみなすと、相手に心底からの興味関心を持ち続けることが簡単にできますし、対応の質もたちどころに格段に向上しますという話です。
それをつぶさに目撃したことがあります。
だいぶ前のことですが、その時私がいた職場は専門職しかいませんでしたので、専門用語を遠慮なく使い放題で、専門のことを熱く語り合っていたものです。
ある日、後輩のまだ二十代の女性に「生まれ変わった自分理論」を語っていました。
その頃はまだ極意塾の構想はありませんでしたが、こうした技には興味を持って学んでいました。
彼女は深く思うところがあったらしく、神妙な、何か決意を秘めたような表情になっていました。
さっそく実験すると
翌日、知的障害の方のカウンセリングの仕事があり、彼女は、落ち着いた表情で、座り方もスッと美しく、ずっとクライアントの知的障害のある方を見続けていました。
それも、見つめるとか、観察するとかというのとは明らかに異なる穏やかな感じで、それでいて完全に集中していました。
あ、クライアントを生まれ変わった自分と思いなしているな、と瞬時にわかりました。
その日の彼女は、いわゆる所作がすっかり変わっていて、堂々たる専門家の雰囲氣さえ漂わせていました。
その日を境に一目置かれる専門家に
それから彼女は、もともと立派なカウンセラーでしたが、さらにグレードアップして、クライアントからも他機関の関係者からも企業の担当者からも慕われ、一目置かれる専門家として大活躍しておりました。
成る程、こういう話ってどんどん言っておくのがいいんだなとその時も思った次第です。←「とく理論」
No.158
(極意塾塾頭 野中由彦)