富士山九合目での開眼!?
人間は苦境に立たされると智慧を絞り出して乗り切ろうとするものだなぁとしみじみ思ったのは、富士山の九合目辺りを登っていた時でした。
私は、35歳の頃、初めて富士山に登りました。
夕方、五合目から登り始め、八合目辺りで1泊し、ご来光を拝み、頂上を目指したのですが、高山病で息も絶え絶えになり、脚を動かすのもままならず、一緒に登っていた人達には置いて行かれる始末でした。
杖に寄りかかって休んでいた時、ふと腕時計の秒針が動いているのが見えました。
「あ、そうだ、30秒間だけ脚を動かし、次の30秒間は休むことにしよう」と思い付き、それを繰り返しました。
それを果てしなく繰り返し、なんとか頂上まで辿り着きました。
時間が来たら動き、時間が来たら止める
終了時間を決めておき、時間が来たら即止め、また時間が来たら即開始する技‥‥一般にはクロックタイムと呼ばれている時間管理法ですね。
その時の私は、そういう名称などは知らず、荒い息をしながら自然に思い付いてやっていました。
この時の体験が心に残り、それから時々、とくに疲れてやる氣が起きない時など、この技を使って乗り切ってきました。
調子が上がれば
この技を使うときのポイントは、時間が来たら必ずすぐにストップすることですね。
メリハリをつける、ということですね。
しかし、たいていの場合、ストップ、再スタートを繰り返しているうち調子が上がってきて、「ここで休憩に入るのは勿体ないよ」と思うようになり、一区切りつくまで続けてしまいます(笑)。
◯分間だけ理論(クロックタイム理論)‥‥苦境でも不調でも確実に仕事を進めないといけない時に、大いに助かりました。
No.173
(極意塾塾頭 野中由彦)
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