そこを通る度に
尺八を吹けるようにしようと決めた時、ある技を思い出し、実験しようと思いました。
それは、玄関に尺八を置いて、そこを通過する度に、一息でよいから尺八を手にして音を出すことです。
いわゆる関所ですね。
その頃は、玄関とバス・トイレが近かったので、風呂やトイレに入る時も出る時も尺八の音を出すことがルールとなりました。
1日10回以上にもなる
尺八を吹くと書かず音を出すと書いたのは、初めはまともに音も出ず、とても尺八を吹いていると言える状態ではなかったからです(笑)。
このルールを守ると、1日10回は尺八を手にして口を当て息を吹きかける行為をすることになります。
真面目にやると上手くいかず腹が立ちますので、腹が立つ前に止めることにしていました。
調子の良い時は集中する
これを続けていると、流石に少しは音が出るようになり、時として調子が良い時は結構いい音が続くことがありました。
そういう時は、ここぞとばかり、飽きるまで吹き続けます。
「お、上手くなってるじゃん」と思えることもありましたが、次にやると全然音が出ないというようなことの繰り返しでした。
練習量を維持する
こんなことをしていないで、一定の時間を尺八の稽古に費やせばよいのですが、やる事の多い生活ではこうでもしないと練習量は維持できません。
転居した今は、トイレに尺八を置いておき、トイレに入る度、一節以上吹くことをルールにしています。
これだけで相当上達しますとは言えませんが、尺八に親しみ、それなりに吹けるようになる効果は認められます。
これはスポーツにも応用できますね。
関所理論! とくに初心者にはお勧めです。
No.224
(極意塾塾頭 野中由彦)