手の近くに置く
この技は古典的なもので、これまで夥しい数の人が試して習慣にして恩恵を受けたことでしょう。
例えば、語学学習ならば、手のすぐ近くに辞書を置いておき、最短時間で手に取ることができるようにしておくという技です。
関所理論だけでは尺八がなかなか思うように上達しないので(笑)、机の上にも尺八を置いたら、無意識にも手にとってしまいますので、尺八を吹く回数が簡単に増えました。
手を伸ばさないと届かない所ではなく、手を置いたらそこにあるという位置がいいですね。
この点が、およそ誰でも、すぐに簡単にでき、絶大な効果のある技を目指す極意塾の極意塾たるところです。
すぐできるようにしておく
読書でも、本を棚から取り出して開くのは結構時間がかかりますが、読むことにしているページを机の上に開いておけば、目を落とした瞬間、読書が始まっています。
ワンステップ何か準備しないと始められないのではなく、ノーステップで開始できるようにしておく。
書きかけ、読みかけ、やりかけにしておいて、すぐに着手できるようにする技ですから、「やりかけ理論」と称してもいいかも知れませんね。
勝海舟は、若いときにオランダ語の辞書を借りて2冊書き写し、一つは売って金に換え、一つは自分用にしたと書いています。
その書き写し作業は、疲れたらその場で寝て、起きたらそのまま即作業を続けるという仕事ぶりだったそうです。
まさしく、やりかけ理論の最たる事例ですね。
条件が厳しいからこそ
こんな技を取り上げるのは、悪条件の下であっても何とか、いや、何としても学習・芸能・スポーツに上達したい人を応援したいからです。
条件の良い人だけがいい目を見るなんて悔しいではないですか。
人間、工夫次第で相当な事ができる!‥と思いたいですよね。
でもどうしてよいかわからなければ、どうしてよいかわからないまま時間が過ぎるだけです。
それには技が要るんです。
悪条件下の人が、すぐに簡単にでき、絶大な効果のある技が、です。
極意塾では、悪条件下で嬉々として楽々と学習・芸能・スポーツに上達する人を次々と輩出したいと願っています。
No.225
(極意塾塾頭 野中由彦)