『徒然草』は心理学の書
吉田(卜部)兼好の『徒然草』は、最たる愛読書のひとつで、無人島に持っていきたい3冊の本の一冊です(笑)。
読む度に、「これは偉大な心理学書ではないか!」と思います。
『徒然草』の中に、「楽器を取れば音を立てんと思ふ。盃を取れば酒を思ひ〜」という一節があります。(第157段)
物に触れると何が起こるか?
「心は、必ず、事に触れて来る」。物に触れれば心が動くということですが、これって極意中の極意と思います。
逆にとれば、「心を動かしたかったら物に触れればよい」ということですから。
例えば、英語をマスターしたいなら、常々英語に触れる。
辞書を手にする、英語の文字を見る、英語の映画を観る、英語のニュースを聞く、英語の新聞を読む、‥‥幾らでも手段はありますね。
ここまでの事なら、とくに珍しい考え方でもありません。
極意塾の極意塾たるところは、その一歩先です。
目にするより手に取る
目に入る所に置いておくのと、手に取るのとでは、心を動かす効果は、手に取るほうが数百倍大きいですね。←数百倍というのは単なる感想ですが。
ここが本当のポイントなのです。
近くにある物を眺めるだけよりも、手に取るほうが心を動かす力ははるかに大きい!
ということは、目に入る所に置いておくことに留めず、手で取り上げる。
たったこれだけのことで、やる氣を引き出すことができる!
本当かどうかは、やってみてわかることですね(笑)。
No.227
(極意塾塾頭 野中由彦)