普及の神様がおっしゃる事は……
私が大尊敬する方のお一人、餅田則雄さん。
この方ほど純粋倫理の学習と実践をしてきた人は、国広しといえどもそう沢山はいらっしゃらないでしょう。
千葉県では、普及の神様とも言われていて、昨年まで千葉県の普及拡大委員長としてご活躍されました。
餅田さん曰く、
「普及はお喋りですから」
「伝えるだけ、知らせるだけでいいんです」
「3年先、5年先のことも考えるんです」
「だって楽しいんだもん。楽しい所には人は寄って来ますよ」……
人に知らせると自分が高まる
こういう餅田さんと一緒に普及に回る人は、みなさん「楽しい」とおっしゃいます。
それに、人に知らせる、人に伝えると、その分、自分の理解が深まり、自分が高まり良くなる現象が起こる、とも。
これはよく聞く話ですし、体験的にも納得できます。
わかりやすく話す
人がよくわかるように伝えるには、自分の理解をいったん自分から離して、整えたり、表現を言い換えたり、わかりやすくする工夫をします。
これがいいんですね。自分を高めるというのはこのステップのことなんですね。
人に知らせることによって自分を高めるのに良い方法は、わかりやすく話さないとわかってくれない人に知らせることですね(笑)。
わかりやすく話すには、伝える事を自分がよくよく知っていないと出来ませんし、相手の理解がどうなのかを把握してそれに即応して話さないといけません。
最高の訓練になりますし、そうやってうまく伝えられたら、直接相手の役にも立てます。
子どもを育てている親は、日々そうしていますよね。
守らねば良かった?恩師の教え
私は小六の担任だったF先生とよく話をしておりましたが、中学一年生の時、ある日、F先生から「野中の話は難しい。だから、(そういう難しい話は)5歳以上年上の、尊敬できる人とだけ話せ」と言われたことを鮮明に覚えています。
そして、それをその後何年も馬鹿正直に実行したのでした。
これは人生の大きな失敗の一つだと思っております。
「どんな事でも、5歳年下のあまりよくわかってないような人にも、わかるように話せ。小学四年生でもわかるように話せ」と言われて、馬鹿正直にそのとおり実行していたら、私はもっともっと良い状況に自分を置くことが出来たと思うのであります。
その後、障害のある人のためのカウンセラーとなり、わかりやすく話す必要に迫られ、自分なりに一所懸命研究しました。
そして『わかりやすい話し方の原則』という論文にまとめて発表したこともありました(笑)。
極意塾は楽な生き方を伝え知らせる運動
極意塾でやろうとしている事も、言い換えれば、楽な楽しい生き方の技を伝え知らせる普及活動ですね。
それも、大それた事をする必要はなく、餅田則雄さんがおっしゃるように、ただ知らせるだけ、伝えるだけでいいんですね。
それも大仕掛けにすることもなく、「お喋り」で構わないんですね。
むしろ、お喋りぐらいのほうがよく伝わるとも言えますね。
氣持ちが楽になる、しかも大いにやる氣になれる心の持ちようです。
No.242
(極意塾塾頭 野中由彦)