腹を立てずに生きられる?
これは技というより、考え方の選択と言うべきものです。
私は、自分ではどうにもならない他人様のことは、なんとかしたい、なんとか変えたいという氣を捨てきって、すべて「うちやつておく」ことに肚を決めてからは、本当に楽になりました。
腹を立てずに生きる極意:自分ではどうにも出来ないことはすべて『うちやつておく』。
他人のやること、為すこと、思うことは、どうにもならない
現実問題として、他人様のやること為すこと思うことは、本当にどうにもなりません。たった一人の女性の感情すら、自分にはまったくどうにも出来ないことをさんざん知らされてきましたし(笑)。
相手はこう行動すべきだ、このように考えるべきだ、このように思うべきだ、‥‥こういう考えを一切捨てきることです。
実際問題として、その人が、どのように考え、どのように思い、どのように行動するかは、100%その人のことであって、自分のコントロール下には無いものです。こちらができるのは、せいぜい予想する、期待するぐらいまでです。
見極め切ると、腹を立てることは無くなる
そのように見極め切ると、相手が何を考え、何を思い、何をしようが、こちらが腹を立てることは無くなります。
どのみちどうにもならないのだから、心に置いておくこともない。ならば、関わらなくてもまったく一緒です。
実際問題、自分にはどうにもならない事を、なんとかさせよう、このように変えようとかと思っていたものだから、いつまでも望みどおりになることはなく、いつも苛々している羽目に陥っていました(笑)。
腹が立つことの大半は、他者が自分に対して行った事
他人支配(誰かに対する不平不満)をやめる、ただすべてそのまま受け入れる。こうしてしまえば、あまり腹が立つこともありません。
腹が立つことの大半は、他者が自分に対して行った事です。動物がいくら変な事をしようが、長く腹が立つことはありません。
これは勝海舟に学んだ心得です。したがって現代風の「うっちゃっておく」ではなく、勝海舟風に「うちやつておく」と表記しています。
うっちゃっておくではなく、うちやつておくと表記
うちやつておくだけだから、要するに、何にもしない。金もかけない、氣にもかけないのですから、最も楽な対処法というわけです。
ただし、これはひどい事をされても何の抵抗もしない弱々しい生き方をしろ、ということではありません。
他人様からマイナスの影響を一切受けない、腹立たしいことをされても腹を立てないという精神的勝利をすぐにものにし、それに対して自分で出来ることはすぐにやるという、極めて積極的な生き方なのです。
自分が出来ることに氣を集中させる
他人様のことはどうにもならない、その反対は、自分のことはすべてなんとかなる、という意味です。
他人様がこちらの期待を裏切るから腹が立つ、とかやっている時間は一瞬たりとも持たず、自分が出来ることに氣を集中させる。すなわち、腹を立てている暇なぞ持たない。まことに積極的な生き方なのです(笑)。
No.021
(極意塾塾頭 野中由彦)