名付けて「遠見理論」
人は、遠くを見ていると、身体も精神も安定し、身体と精神の統一が取れるようにできています。これを極意塾では、遠見理論と称しています(笑)。
体感的には、絶対の確信があります。極意塾では、遠くを見ている時と、近くを見ている時とで、どういう違いが身体に生じているかを確認するテストを行います。
遠くを見ていれば、バス酔いもしない
小学生の頃、よくバス酔いしました。バスに乗っているだけで、車酔いするのです。その時、「遠くを見ろ。遠くを見ていれば大丈夫だ」と言われて、苦しい氣分を押さえて、必死に遠くの山や雲を見続けていたものです。
そうすると、すぐ治るということはないものの、ひどくはならず、なんとか目的地までは我慢できたのでした。そういうことが何度もありました。
乗り物酔いの薬を飲むこともなく、ただ近くのものではなく遠くのものを見る。たったこれだけで、車酔いから解放されたのです。
遠くを見ることの効果
例えば、道を歩いている時、横断歩道で信号待ちをしている時、どこを見ているでしょうか。わたしは、足下が安全であるなら、その場から見える最も遠い所にあるものを見ることにしています。
それは、大抵の場合は、山の端であったり、雲であったり、遠くの建物であったりします。朝焼け、夕焼けを眺めている時は、必ず遠くのものを見ています。
そのとき、どういう感情になるでしょうか。その感情の変化、氣分の変化、氣付きにくいけれども身体の変化、それが遠くを見ることの効果です。
遠くを見ている時には、爽やかな氣分になります。
遠くを見ている時には、詩情が溢れてきます。
遠くを見ている時には、身体が安定しています。
遠くを見ている時には、背筋が伸び鎖骨が開きます。
遠くを見ている時には、呼吸が遅く深くなります。
うつ状態では下を向き、希望に満ちると上を向く
うつの状態にある人を想像してみてください。間違いなく、下の方を向いている、すなわち、うつむいている姿を想像するのではありませんか。
反対に希望に満ち満ちて未来に向かって誓いを立てている若者の姿を想像して絵に描いてください。間違いなく、目線は上を向き、遠くを見ている姿を描くのではありませんか。
典型的なシーンは、高校野球で勝ったチームのメンバーが、ホームベースの所に整列して、スコアボードの上に校旗が揚がるのを見ている姿ですね。
人は遠くを見ていると元氣になる
人は遠くを見ていると元氣になるということを、潜在意識のレベルでは、みんな知っているのですね。それを強く意識していると、簡単に生活を改善できます。なるだけ遠くを見るようにするだけでよいのですから。
選挙ポスターで、目線を落としてうつむいている顔を使ったらどうなるでしょう?(笑)。 そういうポスターを見たことがありません。
遠くを見るということは、通常の場合は、必然的に目より上にあるものを見ることになります。したがって、遠見理論は、見上げ見下げ理論を併せ持つことになります。
うつ病の予防にもなる
毎日、できる限り、遠くを見る。そういう生活をしていれば、うつ病は予防できるし、うつ病を治すことにも効果があるのではないかと、私は思っております。
ただし、自分自身がうつ病になったことがないので、自分では實験しようがありません。うつ病にならないで済んだのは、予防効果のおかげかも知れませんが(笑)。
費用は無料で、副作用も無し
遠見理論を生活に取り入れたらどのような変化があったか、多くの方々にレポートしていただきたいと考えております。費用は無料、副作用は有り得ません。ただし、遠くを見ながら歩いて躓いたりはしませんように(笑)。
No.046
〔極意塾塾頭 野中由彦〕