時間を守るとは、急ぎの心を少しも生じさせないこと
「時間を守る」とは、「遅刻しないこと」だと思って(定義して)いましたが、その考えを捨てました。
例えば、電車に乗り遅れそうになって走る、飛び乗るようにして間に合わせる‥‥こんなものは遅刻のうちですね。
走らなければ間に合わない時点でアウト、その前に急ぎの心が生じる時点で既に時間に遅れてます。
「時間を守る」とは、「急ぎの心を少しも生じさせないこと」と定義を変えました。自分としては、これで生活が大変化しました。
急ぎの心が生じない時間に、少し早くスタートするだけ
「間に合うかな? 間に合わなかったらどうしよう」などといった心配、ストレスなどとは無縁の世界に生きてます。
しかし、やることは「急ぎの心が生じない」時間に、すなわち少し早くスタートするだけのことですから、こんなことは、およそ誰でも、すぐに簡単にできるはずのことですね。
※ そう言い切りたいのですが、まだまだ駅に駆け込んだりもしています(笑)。
それでも前よりはずいぶん良くなっているのは確かですが。
待ち合わせ時間を守るとは、相手に少しの心配もさせないこと
待ち合わせの「時間を守る」とは、「遅刻しないこと」ではなく、「相手に少しの心配もさせないこと」と定義を変えました。
例えば、待ち合わせで約束の時間の直前に現れる。こんなのは遅刻のうちですね。
相手に少しでも心配や不安な氣持ちを抱かせた時点で時間を守れていません。
だから、「5時に待合せというから、2分前に来た。それがなんでいけないんだ!」などと言っているようじゃ下の下ですね。
‥‥と思うようになりました。
呼びした側のこちらが、待ち合わせに遅れた?
「ホントに来るかな? 間に合うかな?」と思わせてしまった、その時点でそれは遅刻です。
ある時、ある高名な方と新宿駅南口で17時に待ち合わせました。
「15分前までには行っていよう」と決めていましたが、用事がずれ込んで、到着が16時47分、13分前になってしまいました(汗)。
行くとその方は既にいらっしゃいました!
(しまった! 遅かった!)と思いました。13分前に約束の場所に現れれば、普通は何も咎められることはないでしょう。
しかし、お呼びした側のこちらが待ち合わせで遅れをとって、たとえ少しでも待たせてしまっているようでは、既にそこで時間を守れていませんね。
待ち合わせの定義を変えると、行動や評価が変わる
‥‥などと考えるようになっている自分! この変化は何でしょう!?定義が変わると考えも行動も、その評価も変わります。
何にどういう定義を与えているかをチェックすると、その人となりも行動パターンもわかってきますね。
そしてその定義というのは、ちゃんとした理由があれば、すぐにでも変えることができます。
定義を変えることにターゲットを絞ると、自己革新は案外簡単ですね。
講師の先生をホテルで出迎えたあるケース
ある時、講師の先生を出迎えに、ホテルで待ち合わせたことがありました。
こういう時、私は待合時間の30分前にホテルに行って待機するようにしていました。
講師の先生がチェックインする時すでに居て挨拶を済ましておく、あるいは30分前に「お連れ様がおいでになっておりますが、ゆっくりしてくださいとのことです」などと伝言してもらう。
ここまですれば先方様は心配することはないはずですね。その時は、ご年配の先生を若い人と2人でお迎えにあがる約束でした。
待合せの場所がわからないなら、事前に確認しておく
私は30分前に、先生は15分前に待合せの場所に来ましたが、若い人が現れない! ご年配の先生曰く「まだ約束の時間の前ですから待ちましょう」。
一番初めに来ていていいはずの若い人を年配の2人が待つという展開に。
(まずいな)と思っているうちに、3分前になって電話が‥。出ると、待合せの場所がわからない、と。
結局、その若い人が居るところにこちらが歩いて行って合流‥‥。事前に指導しておかなかった私の責任ですね。
待合せの場所がわからないなら、事前に一度行ってみて確認しておくぐらいのことをやる人だったら、ファンになってしまうところでしたが。
多忙な仕事をやりくりして来た云々という事情はわかります。
時間を守ることは相手に少しの心配もさせないこと!
しかし、そんなことはお互い様で、こちらだってさまざまなことを捨てて来ているわけですから。
で、その若い人のポイントは申し訳ありませんが大幅に下落ですね。
そうさせてしまった自分もよろしくない!このあたりの消息は厳しいものがありますね。
しかし、「時間を守る」ことを「相手に少しの心配もさせない」ことと定義して行動していたなら、出来る事は他にもいくらでもありましたね。
定義のパワーの凄さを感じた出来事でした。
30分前までに会場入りする「30分前理論」を基本
講演を仕事としている方をたくさん存じ上げておりますが、会場にいつ入るかにその人の個性が出ますね。
私は30分前までに会場入りする「30分前理論」を基本にしています。
「一番乗り理論」を実践することも少なからずあります。この実践でずいぶん助かりました。
30分あれば、プロジェクターの接続確認その他事前準備にアクシデントがあっても対応できます。
30分あれば、客席に座ってみて、会場の雰囲氣やお客さんの氣持ちを感じ取っておくことも出来ます。
30分あれば、話す事をひと通りもう一度確認しておくことが出来ます。
一番乗りは心を整え、万全の態勢で臨む時間管理術にも
ある方は、会場入りする前に、会場のある建物を一周してオーラを振りまいておくのだそうです。
すでに故人となられた方ですが、1時間以上前に来場して、身の回りの小道具などを整え、「時間があるからちょっとその辺を散歩して来るよ」と言って出ていかれた方がいました。
その時は、(なんで担当者もまだ集まってないこんなに早い時間に来るんだろ?
もっと後でも全然問題ないのに)と思っていましたが、心を整え、万全の態勢で臨む、その方の時間管理術だったようです!
講演では直前の時間の使い方が非常に重要
出来てまだ間もない東京都庁が会場でしたから、(建物見物にでも行ったのかな)などと思っていましたが、そんな低レベルの人ではありませんでした。
失礼いたしました。
その方の講演は、今でも記憶に残っているほど、力のこもった立派なものでした。
散歩しながら、その時の講演の内容について仕上げのイメージトレーニングをしていたに違いありません。
講演では直前の時間の使い方が非常に重要だと思いますが、早く会場入りすることならば、およそ誰でも、すぐに簡単にできることですね。
No.068
文:極意塾塾頭 野中由彦